愛とは何でしょうか。小説や舞台、映画など古今東西のさまざまな芸術作品のテーマとしても、多彩な愛の形が描かれてきました。それでも確かな答えが出たとはいえません。なぜなら、愛とは人によって捉え方が本当にさまざまだからです。ここではごくシンプルに考えて、愛というものについて言及してみました。
愛という漢字の読み方は「あい」。そして、そのなりたちは一説では「人にものを恵む」という意味があるといいます。恵む行為はおそらく代償をかえりみない、無償の行為でしょう。そして、愛を定義するにはさまざまな考え方がありますが、見返りを期待することなく自分以上に相手を大切に思う気持ちとも考えられます。では、恋との違いは? そして、愛を確かめるにはどうしたらいいのでしょう。「愛とは何か」この難問に挑みます。
「愛とは何か」という疑問とともに、「恋と愛の違いはってあるのかな」という疑問をいだく人も多いでしょう。「愛とは何か」を探るためにも、恋と愛の違いを考えてみましょう。
男女(ときには同性同士でも)が惹かれ合うことが恋ですね。それまでは恋心を感じていなかった人や、まだ、それほどよく知らない人でも、恋い焦がれるようになるというのが恋です。好きになってしまったら、その相手は他の人と置き換え不能な、スペシャルな存在になります。そして恋が叶い2人が一緒にいる時間が深まると、それがやがて愛に変わるといいます。いつぐらいから変化していくのでしょうか。それは必ず起こることなのでしょうか。
愛という感情はどのようなものでしょう。愛を探るために、ここではいくつか例を挙げてみましょう。愛の代表的な例としては、親が子を思う感情が挙げられます。自分の血を分けた分身として赤ちゃんのときから成長を見守ってきた子どもは、親にとってはかけがいのない存在です。その子がケガや病気をしたら、自分が変わってあげたいと思うぐらい。いわば一心同体の存在です。また、何らかの集団に属していたとして、そこで同じ体験を重ねた人同士では、強い仲間意識が生まれることが往々にしてあります。そうした感情は、友愛などと呼ばれている一つの愛情といえるものです。他にも、飼っているペットの姿に一喜一憂しながら世話をするのも、愛情の一つでしょう。また、自分が暮らした土地を美しいと思い、大切に思う郷土への愛着も、愛の一種といえるものです。
愛情が芽生える条件を探っていくと、いくつか共通した要素があることに気づきますね。そう、まずは一定の時間の蓄積です。そして、お互いがともに味わった共通体験も挙げられます。「愛とは何か」を探るためには、鍵を握る要素となりそうです。では、これを恋人同士に置き換えてみましょう。そうすることで恋が愛に変わる過程が解明できそうです。
お互いのことを、まだよく知らない、つきあい始めの頃は、相手が何をやっても新鮮に映ります。相手が、どんな風にふるまうのか、ドキドキしながら見守っていることでしょう。このドキドキが、まさに恋ですね。ですが、これがある一定の時間を経たあとだと、2人で新しい体験をすることは珍しくなっていきます。ドキドキ感は減ってしまうのです。ところが、親密さが深まることで他の感情が生まれてくるのです。相手が自分のいる空間のなかにいるのが当たり前の生活は、さほど刺激的ではありません。ですが穏やかな充足感がそこにはあるのではないでしょうか。そして、その満ち足りた気持ちを2人が共有していること、これが愛ではないでしょうか。相手をかけがいのないものと思う気持ち自体は、恋と変わらないのですが、出会った頃のような激しいものではなく、静かにいつくしむ心です。もちろん、恋も愛も人それぞれの形や捉え方がありますが、概ねこのようなものではないでしょうか。
恋心から始まって、時間と共通体験を通して得た愛という感情。では、それが変化する瞬間に気づくことはできるでしょうか。あくまで私見ですが、残念ながら、その瞬間に気づくことはむずかしいように思います。相手を夢中になって追いかけていた恋が、いつしか気持ちにゆとりをもつことができるようになる。それはある意味マンネリ化した関係ですが、ふとした瞬間に「これが愛というものなんだな」と感じることがあるかもしれません。ですが気づいたときは、すでに恋から愛に変化してしまったあとでしょう。しかし、もしかしたら変わる瞬間というものはなく、2人の間に少しづつ少しづつ愛というものが育っていたという方が正解なのかもしれません。恋はある瞬間に生じることがありますが、愛というのは、時間をかけて育てていくものなのだと考えれば、恋と愛の違いを実感できますね。
ここまでは愛というものがどういうものか、前提となる意味を探ってきました。ここからは、それぞれのカップルの愛の形を確認してみましょう。恋人たちの愛の形は、あるパターンに当てはまるといわれ、大きく分けて4つに分類できます。あなたの愛の形はどれに当てはまるのでしょうか。
テイク・アンド・テイクの愛とは、どちらか一方が受け取るだけの愛の形です。一番わかりやすいのが赤ちゃんとお母さんの関係です。お母さんは、赤ちゃんに尽くすだけ尽くしても見返りを求めることはありません。与えるだけで充足している関係なのです。一見微笑ましい愛の形ですが、これを大人のカップルに置き換えて考えてみると、ちょっと危険な関係といえます。一番イメージしやすいのは女性が男性に献身的に尽くす関係でしょう。女性が彼の身の回りの面倒をみてあげて、ときには金銭を与える場合すらあります。これは「この人は私がいなくてはダメになる」などといった気持ちから起こることで、一種の依存関係です。この場合の依存とは、ちょっと考えただけでは男性が女性に依存しているように思います。ところが実はこうした関係は、お互いが依存しあっている状態といえるのです。女性は、彼が自分を必要としていると考えることで、自分の存在意義を感じます。「救う必要のある彼」あっての自分なのです。もちろん、それは男女が入れ替わる場合もありますが、概ね女性が男性に尽くすというパターンが多くなっています。例えばパートナーに暴力をふるうDV男とわかっていても、なかなか別れることができないというのも、「この人の本当の良さを知っているのは私だけ」というような女性の気持ちが問題の本質を見誤ませているのです。暴力が決定的なことに至らなかったとしても、このタイプの愛の形は破滅的といえるでしょう。女性が献身的に尽くしても、報われないことの方が多いからです。何年もこの状態が続くと、女性は彼への憎悪を深めていったり、強い自己嫌悪に襲われたりします。これでは、幸せな愛の形とはいいがたいのです。
テイク・アンド・ギブの愛の形は、あまり自発的な愛情ではないようです。相手がアプローチをしてきたから、つきあうとか、相手が愛してくれるから愛するというような受身のスタンス、条件づきの愛なのです。こうした愛の形は、うまくいっている間はそこそこの関係を保てるかもしれません。ところが、ちょっとしたトラブルや相手の関心の薄れなどから、簡単に崩壊してしまう関係ともいえるでしょう。長続きすることがむずしい愛の形です。
ギブ・アンド・テイクという言葉は、よく聞くものです。これが愛の形となると、自分から相手に何かを与えて、相手からも何かがもたらされるということになります。テイク・アンド・ギブの愛のように受身ではないので、バランスがとれているように思いますが、実はこれは駆け引きをともなう愛の形です。なぜなら代償を得られなければ、与えることをしないということなのですから。代償を得るために、駆け引きをすることがあります。駆け引きといっても特別なことではありません。「私は○○をしているのだから、あなたも○○をしてね」などといった言葉は、珍しいことではないでしょう。本来の愛とは駆け引きをせず、自然と溢れ出てくる感情のはずでした。これは、どうしたことでしょう。それでもお互いが納得したものなら、よいという考え方もありますね。一方、ギブ・アンド・テイクの考え方は、ビジネスの世界では当たり前のこととして、とらえられています。それぞれに仕事をこなし、それによって対価を得るいうことです。ギブ・アンド・テイクの愛は、ある意味、そうしたビジネス的な思考が愛の形にも反映されているとも言えそうですね。
ギブ・アンド・ギブは、理想的な愛の形です。お互いが相手の見返りを期待せずに、相手のために行動できる関係です。なぜ、見返りを求めないのかといえば、相手が喜ぶことが自分にとって何よりもうれしいことだからです。ギブとギブのキャッチボールが、お互いをより心地良くさせてくれます。そうした行為を積み重ねていくことが、切っても切れない強固な愛情を育てるのです。至高の愛といえるものです。ちょっと余談ですが、ギブ・アンド・ギブが生み出す素敵な関係は、恋愛だけにいえることではなさそうです。ギブ・アンド・ギブを素直に行えるようになることは、さまざまな人間関係をスムーズに運んでくれるでしょう。無償の行為を行えるように、人間性を磨きたいものです。
恋愛中の女性なら、彼が自分のことをどんな風に考えているのか、とっても気になります。相手の気持ちを確かめてみたいですよね。でもどうやって確かめたらよいのでしょう。よくある方法が次の4つのパターンです。
彼があなたのことを愛しているのかどうか、その気持ちを確かめたいと思ったら、単刀直入に聞いてみようと思いますか。でもこの方法、相手によって「なぜ、そんなことを聞くの?」と考える男性もいるので気をつけましょう。女性は、男性から「愛してるよ」という言葉を聞きたいものです。なぜなら女性は言葉を大切にするから。ところが男性の場合「楽しくつきあっているのだから、言葉なんていらない」という人が少なくないのです。そういう人に「私のこと、どう思っているの?」と聞くことで、相手は「なぜ、今さらそんなことを聞くの?」と身構えてしまうかもしれません。かえって2人の間がギクシャクすることにもなりかねません。ですから愛情を確かめるために女性から男性に直接聞くのは、よくよく相手を確かめてから行いましょう。また聞くタイミングや回数も重要です。ちょっとしたケンカをすると不安になってしまい、女性は愛情を確認しようとします。ですがケンカのたびに聞かれたら、彼は面倒に思うでしょう。あなたが優しい言葉を求めても、たいていの男性はそのことを理解はしてはくれないものだと覚えておくとよいですよ。
彼があなたのことを彼女として真剣に考えているかどうかを見極めるには、2人が会う頻度で、ある程度は量ることができます。ラインやメールなどのやりとりの頻度も同様です。また、頻度に加えて大切なポイントもあります。デートをしたときに、彼が次の約束をするかどうかということです。必ず次の約束をしてくれる彼なら、あなたのことを真剣に考えている証拠です。次の約束をせずに「また連絡するね」などという場合、彼があなたに対してさほど執着していないことを表わします。次の約束をせず、なおかつつきあい初めの頃に比べて極端に会う頻度が落ちていたとしたら、彼のあなたに対する関心度も低下していると考えてよいでしょう。デートの別れ際の彼の態度を、じっくり観察してみてください。
彼があなたのことをどう思っているのかを見極めるポイントとして、周囲への紹介の仕方も挙げられます。あなたとのことを真面目に考えていて、今後もつきあっていこうと考えているのなら、友人たちに堂々と紹介してくれるはず。それが彼の大切な友人ならば、なおさらです。また彼の目上の人やご両親などなら、彼の愛情は本物だと考えて間違いはないでしょう。大好きな自慢の彼女だからこそ、自分の身近な人や大切な間柄の人に紹介しておきたいと思うのです。あなたも彼の親しい人たちに紹介されたときには、好感をもってもらえるように、きちんとした態度をとって敬意を表わしておくことが大切です。男性が自分の彼女を親しい人に紹介するのは、やはりちょっと勇気がいるものです。そんな彼の期待を裏切らず、しっかりとした態度がとれる女性なら、彼はますますあなたを大切に思うことでしょう。
彼の気持ちがわからず、その真意を試したいときに役に立つのがプレゼントです。クリスマスやバレンタインでなく、なんでもないときに渡すのがポイントです。「○○くん、こんなの好きだよね」などと、さりげなさを装いましょう。贈るのは格別に高価なものでなくともよいのです。ポイントはあなたからプレゼントをもらったときに、彼がどのような態度をとるかです。素直に喜んでいるとしたら、彼のためにプレゼントをくれたあなたを、いとおしいと思っていることでしょう。またあなたからのプレゼントに対して、彼は「お返し」をくれるでしょうか。「お返しをする」ということは、あなたを大切に思っている証拠です。逆にこれまでつきあってきて、あなたに飽きてきた頃にプレゼントをもらったとしたら、それは彼にとって重荷でしかありません。ちょっとしたプレゼントで、彼の気持ちを確かめてみてください。
恋と愛の違い、さまざまな愛の形、愛の確かめ方などを取り上げてみました。愛とはどういうものなのか、おおよそ理解できたのではないでしょうか。一緒にいても、男女は根本的に異なる思考形態をもっていると言われます。恋する女子にとって、男性の気持ちは謎めいています。ですが、それはそれとしてお互いが楽しくつきあえるように、2人のルールを築いていけたらよいのではないでしょうか。恋が愛に変わっていき、2人がこの上ない幸福な時間を過ごすことができることを願っています。